「うちは夫と意見が合わなくて、私がどうがんばってもうまくいかないんです。」
これは子どもの年齢や自分が働いているか否かに関わらず、女性が抱える家庭内コミュニケーションの大きな悩みの一つだと思います。
子どもに関することや、家族の大きな決定、もしかすると自分が働くかどうかということなど、自分と夫の価値観が違うのでどうしても対立してしまう。
でも家族だけではなく人との対立ってできれば避けたいと思ってしまいますよね。
人との円滑なコミュニケーションのとり方や、さまざまな人が集まるコミュニティづくりにおいて前提となる考え方があります。
それは「そもそも人はみんな違った価値観、考え方を持っている」ということです。
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日本人は目の色や肌の色がみんな同じ人種なので、知らない人の特徴を示すのに、中肉中背といったような背格好で表現することが多いですよね。
体形はみんな違うのですが、ルーツは同じ日本人という人が多いので、考え方もみんな同じだろうと思い込んでしまっているようです。
国の成り立ちとして移民が多い国など、目の色や肌の色がさまざまな人と生活している国では「そもそも人はみんな違った価値観、考え方を持っている」ということが前提となりやすいんですね。
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どうしても家族、夫婦や親子で、同じ意見や考え方を持ちたいと思ってしまいますが、自分から生まれた子どもであっても、兄弟姉妹で顔も性格も違うように、親子の価値観が同じということはありません。
夫は全くの他人です。(書いてしまうとちょっとさみしい感じもしますが。)全ての意見が合うということはあり得ません。
しかし、自分の意見を聞いて!分かって!と思ってしまいますよね。これは自分だけではなく、相手も同じことを思っているのではないでしょうか。
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ではどうしたらいいのでしょう。さまざまな人の持っている異なる意見をお互いに尊重することができれば解決することができませんか?
これを「ダイバーシティー」とか「多様性の尊重」といいます。
企業内では、人種、国籍、性別、年齢などに関わらず、多様な人が働きやすい環境を作る取り組みが行われています。
また地域の中でも、多様な人が共に共存できるまちづくりが進められている自治体も増えています。
そして、これは全世界の各国でさまざまな取り組みが行われていることでもあります。
家庭は全ての環境の縮図、最小のコミュニティです。まずは家族がお互いを尊重することができたらいいですよね。
では、意見が合わない時にどうしても避けられない対立というのが、お互いを尊重するということに対してどういう意味を持つのでしょうか。
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両立キャリアスクール 田頭あやこ