世界経済フォーラムが毎年年末に発表しているジェンダーギャップ指数というのがあります。
健康、教育、経済活動、政治参画という4項目の指標で、各国の男女格差を数値化しランキングしたものです。
先進国としては元々順位の低い日本ですが、いまだどんどん順位を下げています。
女性も家事や育児だけでなく、働きやすい社会になってきていると感じている方が多いと思いますが、なぜ順位が下がっていくのかといえば、
日本は他の国の男女格差解消の速度に追い付いていないからです。
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実は私もはじめは、私は企業で出世したいわけではないし、政治家にもなりたくないし、自分にはあまり関係のないことかなと思っていました。
今となっては大きな声では言えませんが。
このジェンダーギャップ指数は、子育て、キャリア、まちづくり、人権など、さまざまな女性向けの講座で話さないことはほとんどありません。
それくらい私たち女性1人1人の生活に大きな影響を及ぼしているからです。
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それでは4つの項目についてみていきましょう。
●健康面のスコアはとても高いです。日本は男性よりも女性の方が平均寿命が長く、出生率においても男女同じくらい。
例えば不幸なことに交通事故にあって救急車が到着した時に、女性だから治療してもらえない、救急車に乗せてもらえないということはないと思います。
●教育水準についても、かつては高等教育が必要なのは男の子だけで女の子は花嫁修業しなさいと言われていたことを知っている人は多いと思います。
現在のスコアはさほど低くはありません。
●経済活動においてのスコアはとても低いです。2020年度は153ヶ国中115位。とても先進国とは思えません。
その中身は、労働力率、給与格差、管理職や専門職の比率などです。どれをとっても男性に比べ女性が少ない、まだまだ平等な評価はされていません。
●最後に政治への参画度。これがもっとも深刻です。2020年度は153ヶ国中144位。大丈夫ですか?という順位です。
国会議員の女性はわずか1割程度。閣僚の女性も増える兆しは見えてきません。
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健康や教育水準が男女同等だったとして、男女に能力の違いがあるのかと聞かれたらどうでしょうか?
経済活動にしても政治にしても、日本は働く人や長となる人、リーダーとなる人は男性という思い込みから脱却できないんですね。
子どもの頃から大人になっても、私たちの日々の生活の中で、そしてさまざまな制度によって、そう思い込まされています。
この延長線上に、家庭生活の中で私たちが日々悩んでいるさまざまな問題があります。
母親だけが子育てをしなければならないとか、妻は夫を立てるべきとか、女性が家庭を守らなければならないというのは、
日本が抱える経済活動や政治の分野での男女格差が引き起こしている社会問題です。
かつての私のように、私は経済社会でそれほど活躍したいわけではないし、政治家になりたいわけでもないし、
ただ自分のやりたいこと、仕事と生活と自分時間を両立したいと思っている女性のみなさんも無関係なことではないと思っています。
毎年のジェンダーギャップ指数、ぜひ注目してみてください。
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両立キャリアスクール 田頭あやこ